【コラム】米国の健康志向食品市場-1-

 

米国で拡大する健康志向食品市場

 

日本でも、米国でも、病院や薬に頼らない健康な生活をしようと多く人が考えています。そのためには、どうしたらよいか、答えは簡単です。毎日の食生活に関心を持ち、自らが健康管理のための行動をすることでしょう。米国では、この7,8年健康志向が高まり、オーガニック食品や自然食品、NON-GMO食品(遺伝子組み換えを行っていない食品)、グルテンフリー食品を多く店頭に並べているスーパーマーケットの売上高が拡大している。本コラムでは、2017年2月にカリフォルニア州での現地で取材した内容から、米国で今おきている健康志向食品市場拡大についてマーケティング視点と日本との比較という視点で考えて行きます。

急速に拡大するオーガニック市場

日本でも、有機野菜や有機醤油、有機砂糖を購入する消費者はいます。日本の食卓に欠かせない豆腐や納豆についても、遺伝子組み換えでない商品を購入する消費者は多く、また有機の豆腐や納豆を選ぶ消費者もいます。日本では米国から輸入される大豆、トウモロコシの多くは、遺伝子組み換えであり、体への影響を考える消費者は多くいます。海外の食材より国内の食材の方が「安全」と考え食材を選ぶ消費者は多くおります。多少価格が高くても、より安全な食材を食べたい、安全な食事を家族に提供したいと考えているからです。見方を変えると、遺伝子組み換えの大豆でつくられた豆腐、有機マークが付いていない野菜に対する不安があるからです。img001-2米国でも同様で、価格が高い有機マーク(オーガニックマーク)や遺伝子組み換えでないマーク(NON-GMOマーク)の食材を買う消費者がこの7、8年で急速に拡大しています。日本人のイメージとして、オーガニックというとオーガニック野菜を想像しますが、米国では野菜やフルーツだけではなく、鶏肉、牛肉、卵、牛乳もオーガニックマークが付いている商品であふれています。オーガニック食品を選ぶ消費者は、NON-GMO食品を選択します。当然オーガニックではないものと比較すると価格は2割から3割近く高くなります。価格が高くても購入する消費者がいるので、市場全体は毎年拡大しています。The Organic Trade Association (OTA)の資料によると2015年のオーガニック食品の総売上高は、日本円に換算して約5兆円となっています。この数字は、10年前の2倍以上です。オーガニック食品を多く販売しているスーパーマーケットの中には、この10年の平均成長率が10%というスーパーマーケットもあります。

ヘルスリテラシーのある消費者が牽引

米国でも日本でも同様でありますが、オーガニック食品を買う消費者は、「ヘルスリテラシー」、すなわち「健康情報を理解・活用できる力」を持っている消費者です。インターネットの普及により、ネット上には健康管理情報があふれ、この情報を理解し、行動を変えた消費者が多くいることが現在の米国と考えます。特に、食品の子供への影響の関心が高い20歳代から40歳代で子供を育てている消費者と60歳代70歳代の消費者(医療費が高いので関心が高い)がこのオーガニック市場を牽引していると考えます。そして、オーガニック食材は価格が高いので、所得が高い消費者でないとオーガニック食品を買うことができない、つまり健康志向が高く、所得が高い消費者がこの市場の拡大を牽引している消費者となります。

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