【コラム】「ディズニーランドから学ぶべきもの」-2-

「リピーター率を上げるための戦略」

リピーター率を上げるためには、第一にゲストが興味を持つ今までにない新しいアトラクションを長期的な視点で造り続けること、第二はゲストに新鮮さを提供する、年間に数回開催されるスペシャルイベント(パレード等)であります。第三は、ゲストの期待を裏切らないゲスト対応です。

長期的な視点による戦略

「ディズニーランドは、粘土のように、形を変え、進化させていける。」とウォルト・ディズニーは言っています。常に、ゲストにあきられないように、進化することが必要です。それも明らかに変わったという進化で、ゲストがまた入園したいと感じるレベルであることが重要となります。2012年に新設した「トイストーリーマニア」や2013年にリニューアルされた「スターツアーズ」は大人気となり、ゲストの集客に貢献しています。アトラクションの新設や大幅なリニューアルは、リピーターを増やします。

年4回のイベントによる集客戦略

TDRが他のディズニーテーマパークより優れた運営をしているところは、毎年行われているスペシャルイベントのパレード内容が、毎年違うところにあります。そして、他のディズニーテーマパークより、多くのイベントを展開しているところです。米国アナハイムのディズニーランドのクリスマスパレードは、ほぼ毎年同じ内容、同じ音楽です。日本の毎年違う内容に慣れている日本のディズニーファンが2年続けて見ると、物足りなさを覚えます。毎年、今年のクリスマスはどんなパレードになるのか、次のハロウィンはどんなパレードになるのかと、多くのディズニーファンはわくわくしながら待っています。このわくわくしながら待つ事も、リピーターの拡大に繋げる重要な要素となっています。同じイベントでも、内容が違うわけですから、またパークへ行こうと思うようになります。春、夏、秋(ハロウィン)、冬(クリスマス)とほぼ途切れることなく、継続してイベントを展開しています。そのイベントと同時に、キャラクター商品の内容が変わり、レストランのメニューが変わり、パークの装飾も変わります。この変化が、四季がはっきりしていて、それぞれの季節を楽しんできた日本人の感性に合います。非常に計算された、日本人の感性にあわせた集客戦略です。

ゲストを失わないゲスト対応戦略

私の会社のスタッフに、ある店に昼食に行こうと誘ったら、その店はやだと言われたことがあります。理由を聞いたら、2年以上前に昼食に行き、おつりを間違えられたということです。このことがあってから、2度と行かないと言っていました。顧客は、1回でも不快な対応を受けると、その記憶が残っている間その店には行きません。逆に、その店からいつも以上にうれしいサービスを受けるとその店にまた行きたくなります。もう2度と行きたくないのか、また行きたいと思うかでは、会社にとって大変な違いです。常連客を失うのか、常連客になるのかの差は、売上と利益という視点で考えると大変大きいです。ほんの些細な顧客対応の一瞬のミスから、顧客に不快な思いをさせ、大切な顧客を失います。
TDRに行ったことのある方の中には、こんな経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。パークの中でガイドマップを見て、行きたいアトラクションを探していた時、キャストの方から「何かお探しですか。」「ご案内しましょうか。」と声を掛けられたという経験です。このTDRでのキャストの行動は、一見簡単なように見えますが、実はなかなか出来ることではありません。声を掛けるキャストは、多くの場合ゲストサービスがメインの業務ではなく、別にするべき業務を持っています。自分がしなければならない業務を一時中断、または後に回してゲスト対応するのは、ゲストのことを優先して考えるというゲスト対応の現れです。ゲストが困っているとき、キャストはこのゲストを助ける行動をするようにと教育しています。
集合研修でも、OJT研修でも、困っているゲストを助ける、サポートすることはキャストとして重要なことであると教育されました。世界中のパークでも、キャストに教育されている内容です。
ゲストに質問されて、答えるのは当然な行動、キャストからゲストに積極的に声を掛けることは、ゲストに対して強い印象を与えます。このような、ゲストに良いサービスを受けたという印象を与えることが、リピーターの獲得に大いに寄与しています。
個人的な感覚ですが、日本のキャストのゲスト対応力の高さは、パリや香港のキャストのゲスト対応力より、はるかに優れています。どんな忙しい時でも、ゲストに対しての微笑み、言葉遣いと、ゲストことを優先して考えて、困っているゲストに声を掛けます。キャストとしてゲスト対応の基本に沿って、対応してくれます。教育の成果でしょう。

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