【コラム】北海道新幹線とストロー現象

北海道新幹線とストロー現象

ストロー現象とは

新幹線や高速道路などの交通網の整備によって、地方の拠点となっていた都市が経路上の大都市の経済圏に取り込まれ、ヒト・モノ・カネがより求心力のある大都市に吸い取られる現象、コップの水がストローで吸い上げられる様子からこの言葉が生まれています。
新幹線や高速道路の整備は、地方都市が地域活性化の起爆剤と考えられますが、ストロー現象で地方都市の衰退を加速させる結果にもなります。
大阪ですら東海道新幹線や名神高速道路、東名高速道路等により首都圏にヒト・モノ・カネが吸われているとみることもできます。北海道新幹線が開通して、北海道から九州までが新幹線で繋がり、大都市集中をさらに進ませ、大都市と地方都市の格差を大きくする結果になると考えます。

函館でも2031年からストロー現象

3月26日に新函館北斗駅まで開通した北海道新幹線は、計画では2031年に札幌駅まで繋がり、東京と札幌を約5時間で移動できることになります。新函館北斗駅と札幌駅も約1時間で移動可能となり、この区間が完成すると、函館は大都市札幌にヒト・モノ・カネを吸い上げられてしまうと予想されます。現在は、函館と札幌間は、片道約3時間50分の移動時間でビジネス面でも日帰り出来ない距離なので、函館に支店・営業所を置いている企業がありますが、1時間の移動距離となると、函館に支店・営業所を置く必要がなくなります。羽田空港-千歳空港-札幌-函館(乗り継ぎを計算しないと3時間半位と予測しています)というルートが観光客やビジネスマンの通常ルートになり、新青森駅-新函館北斗駅は必要なくなる、そして函館空港も必要なくなるとも考えられます。北海道のヒト・モノ・カネをすべて札幌が吸い上げ、千歳空港が北海道の唯一の空港となってしまうかもしれません。

函館の人口減少は加速化する(2035年の函館を考える)

1980年には35万近くの人口があったが、現在の函館市の人口は27万人を切っています。人口構成を全国平均と比較しても、 少子高年齢化は進んでいいます。2014年の函館の人口を年齢階級でみると一番多い年代が「60-64歳」となっています。
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国立社会保障・人口問題研究所の予測値では、2035年に人口が20万を切るという数値になっています。但し、この数値は新幹線完成によるスロー現状を考えていませんので、2031年に新幹線が札幌まで完成するとヒト・モノ・カネも札幌に吸い上げられてしまいす。ヒトがいなくなれば小売業・サービス業の企業も撤退し、小売店や病院が少なくなり、より住みにくい街になり、働ける場所がなければヒトはどんどん流出し、函館の人口は予測値よりも大幅に減少すると考えられます。人口が減少すると心配なのが行政サービスです。函館市の面積は、東京23区より広い約678平方キロメートルです。人口が減少すれば、税収が減り、この広いエリアをカバーする行政サービスが出来なくなる可能性があります。
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