【コラム】北海道新幹線で函館の観光客は増えるか

北海道新幹線で函館の観光客は増えるか

3月26日の開業前後の1週間は、テレビ・新聞にも大きく取り上げられて、函館駅前も賑わいをみせましたたが、その後は例年通りの状態に戻ったとのことです。函館の観光は、桜が咲くゴールデンウイークからスタートするので、新幹線効果を見るには、今年のゴールデンウイークがどの位観光客が増えるかということがポイントとなります。
昨年開業した北陸新幹線により、金沢市観光名所は平成26年と平成27年を比較すると、兼六園146%、金沢城公園182%という数字になっています。観光客の半数は首都圏からの観光客であり、新幹線により東京と金沢の間が、2時間半で片道約14000円という運賃で結ばれたことで首都圏からの身近な観光地としてもあらたな観光客を呼び込むことができ、開業1年の成果としては、金沢にとってのある程度の経済的な効果はあったとみることができます。
北海道新幹線で函館の観光客が増えるかを考えてみます。
北海道新幹線の終着駅は「新函館北斗駅」、名前から想像できるように駅の所在地は函館市ではなく北斗市で、駅の周りは畑だけです。この駅から、乗り換え時間を入れて約30分で函館駅に着き、そこから観光客は観光スポットへ向かうことが出来ます。東京から函館駅までは約5時間の長旅となります。飛行機を利用した場合は、羽田空港から函館空港までは約1時間半、函館空港から函館駅へはバスで30分、湯ノ川温泉までバスで10分で新幹線に比べて短時間で函館に着くができます。運賃は、「旅割」「特割」を活用すると新幹線より3割以上安い運賃で移動できます。旅行は時間を買うものと言われるくらい目的地までの移動時間とコストのバランスが重要となります。「高い、時間がかかる」では東京からのあらたな観光客の取り込みはかなり厳しく、片道1万円強の東京-函館間の低価格運賃設定(空席で走らせるくらいなら低価格も必要)をしないと、北海道新幹線を利用した観光客を呼び込むことはできないでしょう。
server-img「交通機関別観光入込み客数」(函館市統計書平成25年版より)を見ると函館に来る観光客の交通手段は全体の43%がバスです。北海道の別の地域からバスで来る道内の観光客、北海道の別の地域をバスで観光した道外の観光客ということになります。見方を変えると、道内の観光客はとっては目的観光地ですが、道外の観光客にとっては通過観光地ということになります。道外からの観光客にとって函館は1泊、2泊するような目的観光地(観光資源が乏しいとためでしよう)ではないとみることができます。
以上のように、運賃や移動時間、観光資源の点から考えると函館では、金沢のような新幹線効果は期待できないとみています。
しかし、仙台-函館間の時間は3時間を切るので、福島・宮城県・岩手県・青森県からの観光客を呼び込むことができれば観光客増になります。ただ対象マーケット(4県を合計しても人口は約680万人)は小さいので増加数は限定的でしょう。やはり首都圏の観光客をどう取り込むかが課題でしょう。

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