【コラム】「ディズニーランドから学ぶべきもの」-1-

「リピータ率は、重要な経営指標」

リピーターの獲得戦略

今年開園30年になる東京ディズニーリゾート(以下、TDRと表現します)は、米国Walt Disney company社が直接経営に関与していない唯一のディズニーテーマパークです。
しかし、直接経営に関与していない東京ディズニーリゾートが、一番利益率が高いのは、コンサルタントとして最も強く興味を引かれるところでもあります。
2013年3月期の単独決算ベースは、売上高3413億円(前年比で約10%増加)で、経常利益731億円(前年比で約22%増加)の実績になっています。余暇市場においては、年間約2750万人が訪れる巨大施設となり、「一人勝ち」状態が長く続いています。特に注目すべきは、営業利益率20.7% 経常利益率21.4%は、上場会社の中でもトップクラスの業績です。
この利益率を支えているのが、オリエンタルランド社が他のディズニーテーマパークより、きめ細かく実行している「リピーターの獲得戦略」にあります。
リピート率が高く、その結果売上が伸びているのではなく、事業をはじめる前から、リピーター率を考えた経営をしているのです。

リピーターの獲得の投資戦略

「オープン後の18年間で行った追加投資は、約1800億円にも達する。なにしろオープン前から追加投資を企画し、準備していたのである。」とオリエンタルランド会長の加賀見氏は、「海を越える想像力(講談社)-2003年出版-」の中で書いています。最初から完全なフルメニューを用意するのではなく、長期的な視点での追加メニューを数多く用意し、一定の期間をおいてメニューを追加してゆくことが、リピーター獲得戦略であることが分ります。1、2度入園したらあきてしまうような従来のレジャー施設とは戦略が違います。
そして、最大の追加投資が、2001年に完成した「東京ディズニーシー」という追加メニューで、約3350億円という規模の投資でした。2つのパークが完成したことで、2000万人を超える入園者を獲得しています。1つのパークでは、イベント毎に入園しても年4回、2つのパークにすることで年4回×2、合計8回入園させることができます。
新しいアトラクションを追加でつくることにより、年間に入園する回数を増やすことができ、ディズニーテーマパークは、アトラクションやレストランを追加投資し続けることで売上拡大することがビジネスモデルとなります。オリエンタルランド社はビジネスモデルに忠実に事業を進めていることになります。
1度入園したら、2ヶ月、3ヶ月後にまた入園したいと思い、結果として年に4回も5回も入園してしまったというゲストを増やすことが戦略の基本となっていると考えます。高いリピーター率こそ、テーマパークビジネス、レジャービジネスの成功のキーです。

経営指標としてのリピータ率

「リピータ率」は、世界中のディズニーテーマパークの重要な、「経営管理のための重要な指標」となっています。
経営者が社員に「売上高を上げるために何をするかを考えろ」と言ったのでは、範囲が広く、どこからどのように考えたら良いか分らなくなります。結局、結論が「目標の売上を上げます」という言葉では意味がありません。しかし、「年間4回確実に、来てくれるリピーターを増やすために何をするかを考えろ」「年間3回入園するゲストを年間4回入園するゲストにする方法を考えろ」ということを現場に言ったら、より具体的に、各現場で、できる個別のリピーター拡大施策が出てきます。

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